建築小僧の建築ライフ

現役の建築構造設計者のブログです。建築や設計の事だけでなく、建築学生の役立ち情報や就活・転職に関する事を書いていきます。

建築系の就職で必要なポートフォリオ!良い作り方・悪い作り方を紹介

こんにちは、建築小僧(@kenchiku_kozou)です。

 

就活をしていて必ずされる質問があります。それは、「今まで頑張ってきた事は何ですか?」という質問です。

 

希望する職種が設計職以外の場合は、口頭や書類で問題ないのですが、設計職の場合は、自分の作品や研究内容をまとめたポートフォリオの提出を求められます。

提出するタイミングは書類選考だったり、面接時に持参だったりと会社毎に提出時期の差はありますが、設計職には必ず提出を求められます。必ずです。

 

このように、設計職はポートフォリオを基に頑張った事を説明するのですが、ポートフォリオの構成が悪かったり、説明の過不足があると、面接官に頑張った事が伝わらず、面接で不採用になってしまいます。

そのため、ポートフォリオの構成や分かりやすい表現はとても重要です。しかし、初めてポートフォリオを作る人からすれば、どうやって作れば分かりやすいかなんて分からないですよね?

 

そこで今回は、建築設計職の就活で必要なポートフォリオの作り方のポイントを紹介したいと思います。

また、プレゼンのコツについては、以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。基本的にはポートフォリオと同じ考えです。

(リンク)

 

なお、ポートフォリオは就活が始まる前の時間がある内に作っておけば、就活の時期はエントリーシートや企業研究に時間を使えるので、早目に作っておく事をおすすめします。

 

ポートフォリオのポイント

1.全部を伝えようとしない

これが一番大切です。しかし、一番難しいところです。

 

ここで質問ですが、あなたの頑張ってきた設計や研究を説明するのに、A3用紙1~2枚で足りますか?

背景から説明を始めて、現状にどんな問題があって、どうやったら解決できるのか、そのために自分が考えた事、成果物の説明、などなど全部を説明しようと思うと、A3数枚では足りませんよね?

あなたの今までの成果なのですから、こんな分量では足りなくて当たり前です。

 

では、限られた分量でポートフォリオを作るときにはどうすれば良いか。その答えが、全部を伝えようとしない事です。つまり、要点を絞って背景や結論など重要なポイントのみでポートフォリオを構成するんです。

 

こんな風に説明すると、なんだポートフォリオ作るのって簡単じゃん!と思うかもしれませんが、実際に作ってみると、あれも入れたい、これも入れたい、今度は入れすぎた、となってしまい結局、要点が何なのか分からないポートフォリオになってしまう事が多いです。

そんな時には全てを伝えずに要点のみを伝える事を思い出してください。

 

2.背景を詳しく説明する

これまでは全てを伝えずに要点のみを伝える事が重要だと述べてきました。しかし、背景は詳しく丁寧に伝えましょう。

あなたが今まで頑張ってきた事について、詳しいのはあなただけです。面接官は全くの素人です。つまり、なぜそれをやったのかが分からないんです。

このような人を引き込むためには、ツカミが重要ですが、ポートフォリオのツカミの部分に当たるのが背景の説明です。

 

背景を分かりやすく、簡単に説明する事で、なぜその設計をやったのか・なぜその研究をしたのかが伝わり、なぜやる意義があるのかを面接官に理解してもらいましょう。

ここの説明が不十分だと、内容を理解してもらえず、よく分からないけど何かをやったんだねと思われてしまいます。

逆に言えば、背景がしっかり伝わると何をやったのかが伝わりやすくなります。多少、盛ったり、削ったりしても、伝える(分かった気にさせる)事が重要です。

 

3.中身を詳しく説明し過ぎない

1.2.と一部重複しますが、設計や研究の過程を詳しく説明してはいけません。

過程はとても重要なのですが、過程を詳しく説明し過ぎても、内容が理解できずに飽きられてしまいます。中身を説明する場所があるなら、背景など別のことに使いましょう。

ポートフォリオに興味を持った面接官なら、必ず中身の質問をしてくれるので、まずは興味を持たせる事が大切です。

 

4.配色、文字サイズ、フォントなどにコードを設ける

例えば、「見出しのフォントはゴシックで12ポイント、本文は明朝で10.5ポイント、配色はベースが水色でアクセントが赤」などのようにコードを設ければポートフォリオに統一感を出す事ができます。

必ず統一感を出さなければいけない訳ではありませんが、基本的に統一感がないと視線誘導が難しいため、どこを見れば良いか分からないポートフォリオになってしまいます。

時間がなかったり、コードを気にせずに作ったポートフォリオは、統一感がないだけでなく、どこをどの順で見れば良いかが分からなくなしまい、悪い印象を与えます。

 

5.提出先の指示に従う

大前提ですが、提出先の指示には従いましょう。例えば、久米設計ではポートフォリオの図表に図番号や表番号の表記を求められます。

このような提出のルールに従えない人は、会社に入った後も会社のルールに従わない人と思われてしまい、不採用となる可能性が高くなります。

良くルールは破るためにある、少しずらした方が目立って良いなどの意見がありますが、それは一部の人たちが上手くいくのであった、大半の人は失敗します。

もちろん、誰が見ても一目瞭然な程の魅力や実績があなたにあれば話は別ですが、普通の学生にはそんな魅力も実績もありません。なので、ルールは守って、無駄に減点されないようにした方が無難という事です。

 

まとめ

建築設計職の就活で必須となるポートフォリオ作成のポイントついて紹介しました。

やはり、大切なのは全てを伝えようとしない事です。この考え方は、社会人になってから、上司に報告するときにも役立つので、ぜひ参考にして見てください。