建築小僧の建築ライフ

現役の建築構造設計者のブログです。建築や設計の事だけでなく、建築学生の役立ち情報や就活・転職に関する事を書いていきます。

これさえ買えば大丈夫!建築構造設計のおすすめ参考書を一挙紹介!

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建築小僧です。

 

建築構造設計をしていると、様々な基準書や参考書を参考にしながら設計をします。

参考書を買った事がある人には分かると思いますが、同じような内容の本が溢れかえっていて、どの本が分かりやすいのか・どの本にはどういう事が書かれていて、どういう事が書かれていないのかが良く分かりません。

若手の構造設計者は先輩・上司から放置されがちなので、本を読んで理論武装するしかないのですが、どの本を読めば良いかが分からないと、理論武装のしようもないですよね?

 

そこで今回は、僕が今まで読んできた中でおすすめできる本を分野ごとに紹介したいと思います。

建築構造設計のおすすめ参考書を一挙紹介

1.まずはこの7冊

これから紹介する7冊を揃えれば、RC造の構造設計で困ることはありません。何を買って良いか分からない人は、とりあえずこれから紹介する本を揃えれば間違いないです。参考書はともかく、基準書は頻繁に使う事があるので1冊持っていて損はありません。

どの本を買えば良いか迷ったら、とりあえずこの7冊がおすすめ

 

図解入門よくわかる構造力学の基本

この本では、簡単な応力解析から部材設計、振動まで扱っています。例えば、形状ごとの断面2次モーメントの公式なんかも載っていますし、応力解析の計算過程も載っています。

僕も仕事中に「あれ、おかしいな」、「あの式の意味はなんだったかな」と思ったら、この本で調べています。

 

建築物の構造関係技術基準解説書 2015年版

構造設計者のバイブルと言える本です。構造設計には関係法規が多数ありますが、この本の解説を読めば大体のことは書いてあります。逆に言えば、この本で必ず検討するようにと書かれている検討は、必ずやる必要があります。(検討しなくて良い旨を説明できれば、それでもOKです。)

また、構造設計1級建築士の試験で唯一持ち込みを許可されている本です。この本に慣れていないと、構造1級の取得は無理です。若い内から少しずつ慣れていきましょう。

 

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説 2010

いわゆる「配筋指針」と呼ばれるものです。

設計段階から現場監理までずっと使います。配筋の考え方を理解してしまえば、使用頻度は下がりますが、理解するまではかなりの頻度で使います。

 

ひとりで学べるRC造建築物の構造計算演習帳ー許容応力度計算編

構造計算の初歩である「応力解析」、「許容応力度計算」を手計算で理解するための本です。手計算を解説している本はかなりの数が出版されているので、自分に合ったものをおすすめしますが、どれを買えばいいか分からないのであれば、これがおすすめです。

また、他の本で有名なところだと、「実務から見たシリーズ」があります。ただ、僕には合いませんでしたが…。

 

現場必携 建築構造ポケットブック

A6版で非常に小さい本ですが、建築構造のほぼ全ての内容を網羅しています。最初の取っ掛かりとして調べ物をするときには最適な本です。また、本のサイズが小さいので、打ち合わせに持っていくことも容易です。

僕は常に机の上に置いて、いつでも使えるようにしてあります。

 

建築構造ポケットブック 計算例編

意外と役に立つのがこの本です。構造関係の本を読むと、どの本にも式は書いてあるのですが、実際の計算例が載っている本は少ないです。この本は、ポケットブックの計算編というだけあって、様々な計算の計算例が載っています。そのため、どうやって式を使うのか迷ったら、この本がおすすめです。

 

鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 2010

いわゆる「RC規準」と呼ばれるものです。

RC造の建物はこのRC規準に従って構造設計をします。この本には、細かい規定や規定の数値的根拠などが詳しく書かれています。まずは、手計算の本と見比べながら、どの部材にどんな規定があるのかを確認することをおすすめします。

 

2.RC造

鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説 2010

重複しますが、RC基準です。会社や部署にもよりますが、世の中の構造設計の大半はRC造です。そのため、まずはRC造の設計をマスターするところから始めてみるのが良いでしょう。応力解析や断面算定の基本は、RC造もS造も同じなので、まずはどちらかをマスターする事をおすすめします。

 

鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説 2010

RC基準と同じ理由で選びました。RC造の配筋ディテールを決めるには、どこの鉄筋がどのような役割をしているのかを理解する事が大事です。鉄筋の役割が分かれば、配筋ディテールも自然と見えてくるようになります。

 

鉄筋コンクリート造建物の靭性保証型耐震設計指針・同解説

RC基準は弾性域の許容応力度設計についての基準書なのに対して、靭性保証型設計指針は塑性域についての基準書です。

耐震構造でルート3(保有水平耐力計算)を行う場合は、この本の内容を参考にしながら設計します。絶版で通販価格が鬼のようになっていますが、恐らく会社にあるはずなので、必ずしも購入の必要はないかもしれません。

 

ひとりで学べるRC造建築物の構造計算演習帳

手計算の本は3冊出版されており、許容応力度編、保有水平耐力編、限界耐力編があります。

限界耐力計算を実務で使う事は滅多にないので、許容応力度編と保有水平耐力編の2冊があれば問題ありません。

特に保有水平耐力編は、電産プログラムがどのようにして保有水平耐力を計算しているかを理解するのに適しているため一読をおすすめします。

 

施工がわかるイラスト建築生産入門

建築は図面を作って終わりではなく、実際に施工ができないと意味がありません。そのため、構造計算の勉強だけではなく、施工の手順や仕上げ工事の手順などを理解する必要があります。これらを理解しておくと、現場でのトラブルや荷重の拾い漏れなどが減り、より良い設計をする事ができます。

 

3.S造

わかりやすい鉄骨の構造設計

多くの大学でS造の教科書として使用されている著書です。構造計画から応力解析、許容応力度計算、保有水平耐力計算まで全ての事が書かれています。

とりあえず、S造の参考書が欲しい人にはおすすめの1冊です。

鋼構造設計基準 許容応力度設計法

S造の許容応力度計算についての基準書です。わざわざ買わなくても良いのですが、必ず一読して、基準で決まっている事は最低限押さえておきましょう。

初めての建築構造設計 構造計算の進め方

この本はS造だけでなく、RC造や階段などの雑物の検討まで詳しい解説が載っています。前述の「ひとりで学べるRC造建築物の構造計算演習帳」が合わなかった人は、この本を買ってみても良いかもしれません。余談ですが、ざっくりした仮定断面の決め方も載っているので参考になります。

 

4.SRC造

鉄骨鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説

SRC造の設計をするならこれ一択です。許容応力度設計から保有水平耐力まで全てが書かれているので、これさえあればSRC造の設計は完璧です。ただし、SRC造は鉄骨と鉄筋の納まりなどのイメージが難しいので、そこだけ注意が必要です。

 

5.壁式鉄筋コンクリート

壁式鉄筋コンクリート造の計算基準は2冊あり、日本建築センターが出版したものと日本建築学会が出版したものがありますが、日本建築学会の方が新しく、厳しい基準となっています。建築ではより新しい方の基準に準拠するのが定石です。そのため、余程の理由がない限り、日本建築学会の基準に準拠して設計する事をおすすめします。

案件によっては、建築センターの指針でなければ成立しない場合もありますが、その場合は審査機関と相談しながら設計を進める事をおすすめします。相談しないで進めてしまうと、手痛い指摘を貰って設計が成立しなくなる事があるので注意が必要です。

建築センターの計算基準はこちらで購入できます。

 

壁式構造配筋指針・同解説

壁式構造の配筋の基本は、一般的なRCと同じです。しかし、壁式構造は一部独特な部分があるので、配筋指針との違いをチェックしましょう。

 

6.基礎構造

建築基礎構造設計指針

基礎についての基準書がこれです。この本には、基礎を設計する上での注意点や考慮すべき事柄などが記載されており、地盤調査から始まり、基礎の構造計画、計算方法まで書かれています。

2019年に改定されるそうなので、基礎指針の購入は改定後でも良いかもしれませんね。

 

実務から見た基礎構造設計 改訂版

基礎構造の基準書は上記の建築基礎構造設計指針の一択です。しかし、基礎指針には考え方ややり方は書いてあっても、計算例や数字の使い方までは載っていません。そこで、役に立つのがこの本です。この本には計算例や数字の使い方などが詳しく載っているので非常に参考になります。

 

7.免震・制振構造

免震構造 部材の基本から設計・施工まで

免震の歴史や理論だけでなく、免震部材の各種依存性や設計例まで様々なことが書かれています。この1冊をマスターすれば免震の知識は完璧と言っても過言ではありません。余談ですが、末尾に各国の計算基準が簡単に紹介されており、国ごとの計算基準の違いが見れて面白いです。

 

設計者のための免震・制震構造ハンドブック

この本には、免震・制振構造で使用する装置の様々な特性や解析方法、各種依存性などが書かれています。免震・制振構造の設計に携わる設計者であれば、1冊持っていても悪くはありません。

 

性能評価を踏まえた免震・制震構造の設計

免震や制震の場合は、確認申請だけではなく、大学教授などによって組織される性能評価委員会に性能評価をして貰う必要があります。この本には、性能評価の時に、よく指摘される項目や地震波の作成方法や解析方法などが細かく記載されているので非常に参考になります。僕の机にも1冊置いてあり、よく使っています。 

 

各種装置のカタログ 

免震・制振構造を設計する際に一番必要なのは、装置のカタログです。免震・制振構造を設計する際は、電算プログラム上で装置の仮定と応答解析を繰り返します。応力や応答値が装置の限界を超えないように注意しながら、応答解析を繰り返す事で最適な装置数や基数が求まります。

装置のカタログは各社の営業担当に言えば貰えるはずなので、「カタログをください」と伝えてみましょう。

 

8.振動解析

最新耐震構造解析

応答解析や固有値解析などの振動解析についての参考書はこの本が鉄板です。実務者から大学教授まで、振動解析に携わる人の大部分がこの本を持っています。中身は少々難しいですが、様々な項目について、とても詳しく書かれています。これから振動解析に携わる人は1冊持っておく事をおすすめします。

 

まとめ

構造設計で使う基準書や参考書を紹介しました。どの本も僕が実際に読んで、本当におすすめできる本ばかりなので、構造設計をしている人・これから構造設計をする人は参考にしていただけると嬉しいです。