建築小僧の建築ライフ

現役の建築構造設計者のブログです。建築や設計の事だけでなく、建築学生の役立ち情報や就活・転職に関する事を書いていきます。

建築学科の就職先ってどんな会社があるの?どこが多いの?

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建築小僧です。

 

僕が建築学科に入学した理由は「将来、自分の家を設計できたらカッコいいなぁ」という理由でした。

しかし、大学で色んな勉強をしていく中で、自分は「意匠設計よりも構造設計の方がやりたい」と思うようになり、今では構造設計をやっています。

このように就職先を決める上で、「自分が何をやりたいか」を知る事は重要です。

もちろん、やりたい事は「現場で建物ができるのを見たい」でも「ハウスメーカーで住宅をやりたい」でも「構造設計をやりたい」でも何でも良いです。

 

自分が「何をやりたいのか」、「やりたい事を仕事にするためには、今何をすれば良いのか 」くらいは、早い段階で分かっておくと就活が楽になると思います。

そこで今回は、建築学科を卒業した学生の就職先について紹介したいと思います。

 

建築学科の就職先はどんな会社?

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※日本建築学会が集計した「第5回建築系大学卒業生の進路に関する調査報告書」を参考にしています

この図から建築学科を卒業した学生の約8割は建設業界に就職していることが分かります。

細かく見てみると、総合建設業・設計事務所・住宅メーカーへの就職が多く、次点で官公庁・公益公団・不動産業などへの就職が多いです。

 

この図では、職種による分類がされていませんが、実際には以下のように、さらに細かく分類されます。

  • 意匠設計:建物のデザインや法規チェック、設計全体の統括を行う
  • 構造設計:構造計算を行い、建物の安全性を確保する
  • 設備設計:各種計算を行い、熱環境や音環境などの住環境を設計する
  • 施工管理:設計図を元に職人と一丸となって建物を造る
  • 営業:建設会社や不動産会社の営業として、仕事を取ってくる
  • 審査:建築が法律に適合するか確認する
  • その他:事務など

会社によって、職種の内訳は異なりますが、一般的には設計職の採用人数は少なく、施工管理・営業の採用人数は多いです。

 

会社ごとの仕事内容は?

総合建設業

総合建設業はゼネコンと呼ばれ、大型建築物の設計から施工までのすべての工程を請け負う会社です。

社内には、施工部門だけでなく、設計部門や営業部門、技術開発部門を持っており、技術力の高さが売りです。技術力が高いため、超高層ビルや大型の商業施設や特殊案件など様々な物件があります。

総合建設業のメインは「施工」なので、施工部署の権力が一番強く、それ以外の部署の権力は弱い傾向にあります。

主な企業としては、大林組鹿島建設清水建設大成建設竹中工務店などがあります。

 

設計事務所

設計事務所は大きく分けて、組織設計事務所・アトリエ系事務所に分けられます。一般的には、組織設計事務所の物件は大きいものが多く、アトリエ系事務所の物件は小規模である事が多いです。

 

組織設計事務所 

組織設計事務所とは、設計と監理のみを仕事とする規模の大きな設計事務所の総称です。

設計事務所としての力が強いため、意匠設計・構造設計・設備設計などの設計全般に加えて、建設現場での現場監理も全て行います。 

ゼネコンとの関係は、設計事務所が発注側になるため、力関係は設計事務所の方が強いです。

主な企業としては、日建設計・日本設計・NTTファシリティーズJR東日本建築設計事務所・梓設計などがあります。

 

アトリエ系事務所

アトリエ系事務所とは、個人が主催・経営する設計事務所です。住宅を専門とする事務所から大規模な設計をする事務所まで多岐にわたります。

組織設計事務所と比べると、デザインや計画に独自性が強く出る傾向があります。

アトリエ系事務所は、組織設計事務所とは違い社内に複数の部署がないため、社内で全ての設計を行う事が出来ません。そのため、意匠設計者が構造設計事務所・設備設計事務所へ設計を依頼して設計を行います。

主な意匠系のアトリエ事務所としては、安藤忠雄建築研究所隈研吾建築都市設計事務所磯崎新アトリエなどがあります。

また、主な構造系のアトリエ事務所としては、佐々木睦構造計画研究所・金箱構造設計事務所・梅沢建築構造研究所などがあります。

 

住宅メーカー

住宅メーカーは 、主に一戸建て住宅の設計・施工を行います。全国各地に営業所・モデルルームがあり、住宅の販売に特化しています。

住宅メーカーが販売する住宅は、規格化されたものなので、設計自由度が低いです。そのため、自由な設計をやりたい方には、物足りない設計になる可能性があります。

主な住宅メーカーとしては、大和ハウス積水ハウスパナホーム一条工務店などがあります。 

 

各種メーカー

建築業界には、設計や施工を行う会社だけでなく、これらの会社に商品を提供する会社があります。

例えば、天井なら天井屋さん、既製杭なら既製杭屋さん、鉄骨なら鉄骨屋さんといった感じです。

これらの会社は、設計者や施工者の要求に応じて製品を納入するため、設計や施工の要求に応えられるかどうかが、重要になります。

大学院で企業と共同研究をして、そのまま研究職として入社する場合や設計・営業として入社する場合があります。

主な鉄骨メーカーは、新日鉄住金JFEスチールなどがあります。

主な既製杭メーカーは、旭化成建材・テノックスなどがあります。

主な免震用積層ゴムメーカーは、ブリヂストン・オイレス工業・昭和電線ケーブルシステムなどがあります。

主なオイルダンパーメーカーは、カヤバシステムマシナリー・日立オートモティブシステムズなどがあります。

 

インテリア業界

建築は建てて終わりではなく、建てた後に家具などのインテリアを配置して、初めて建物用途としての役割を果たします。そのため、家具をデザイン・製造するインテリア業界は非常に重要な役割を持っています。

主なインテリア関係の企業としては、ニトリ無印良品IKEAなどがあります。

 

不動産業界

不動産業界というよりもデベロッパーと言ったほうが分かりやすいかもしれません。

デベロッパーは、オフィスビル・分譲マンション・都市開発などを行う事業主の事です。多くの場合は発注主の立場ですが森ビルや三菱地所などの会社は、自社で設計部門を持っています。 

主なデベロッパーとしては、三井不動産三菱地所住友不動産・森ビルなどがあります。 

 

広告関係

特に意匠系で表現やCG作品が優秀な人が広告関係に就職する場合があります。表現が優秀で、バイタリティ溢れる人であれば、広告会社の好待遇を勝ち取れるかもしれません。

主な広告関係の就職先としては、電通博報堂などがあります。

 

官公庁・公益公団

いわゆる公務員です。公務員は職種(行政職・技術職など)によって仕事内容が異なりますが、建築系技術職の場合は、ゼネコンや設計事務所が設計した物件の確認申請業務や行政による現場検査などがあります。

主な就職先としては、国家公務員や東京都庁などの県庁に加えて、市区町村などの地方自治体職員などがあります。

 

まとめ

建築学科を卒業した学生の就職先について紹介しました。

やはり建築学科を卒業した方は、建設・住宅業界への就職が多いですね。

ちなみに僕もしっかり建設業界です。